昨日も今日も、うちの派遣会社の現場リーダーが俺や数名の人間を工場内のあちこちへ連れ周り、人は足りてるかと訊いて回り、足りてないところがあればそこへ配置されて職場が決定した。すぐには決まらない。足りてる場所もあるから。
運良く、これまで俺は仕事にありつけたという事だ。
今日、その一段高い場所で作業をしていたら、妙な人がウロウロしているのが見えた。見晴らしのいい場所だから、よく目に付くのだ。見た瞬間、1秒もかからず俺の頭の中に2つのアルファベットが浮かんだ。
「あ、こいつNKだ」
間違ってないと思う。きっと、羽曳野の常連メンバーなら誰もがその男を、そう認識するに違いない。全身から放つ、常人には決して出せないオーラがあった。
もうひとりの男と2人で、台車を引っ張って工場内をウロついている。
あちこちの作業場へ材料らしき箱を届けたりもしているが、何度も見かけた彼らの台車は、たいてい何も乗ってなかった。空の箱が置かれているのを発見すると、それを台車に載せてゴミ捨て場へ(2人で)運んでいく。
なぜ2人なんだ?
そんなもん、1人で十分だろ。
もうひとりの男というのは、NKでもなさそうだ。
結局、彼らは夕方までずーっと台車を(2人で)押していた。
なぜそんな奴が存在するのか。理由は明白だ。要するに、彼らはどこにも仕事が無かったのだ。
楽といえば楽だ。しかし、精神的にはたまらんよ、ああいうのは。こうして高いとこから大勢の職人さんが見てるし、俺の隣で作業していた2人のベテランも呆れてた。台車を押してる本人達も、それに気付かないハズがない。2人のうち1人は気付いていたかも知れないけど、NKの方は気付いてないんだろうなあ。
FUCK!の白鳥氏や、のじりくんを発掘したTheZackなら、声をかけるんだろうかと考えた。
出来ん。俺にはとても出来ん!
NKを発見するだけなら出来ても、それを発掘するというのは、選ばれた者にしか出来ん芸当なんだな。いやはや、改めて敬服。
しかし。
俺はたまたまうまく仕事にありつけたが、現場リーダーがちゃんと人手の足りてない部署を見つけてくれなかったら、俺もああなってたかも知れないと思うと、ゾッとする。
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